はじめに

2026年6月9日、New Relic のアップデート情報として、セキュリティとワークフロー自動化に関する重要な技術ガイドが公開されました。今回は1件のコミュニティ記事がフィーチャーされており、Workflow Automation における認証情報の安全な管理手法に焦点を当てた内容となっています。

この記事では、API キーなどの機密情報をワークフロー定義に直接埋め込むリスクと、New Relic の Secrets Management Service を活用した安全な実装パターンが解説されています。SRE の日常業務において、監視アラートからの自動復旧や外部サービスとの連携は不可欠ですが、その際に扱う認証情報の管理は常にセキュリティ上の課題となります。本ガイドは、この課題に対する実践的なアプローチを提供するものです。


注目アップデート深掘り

Workflow Automation におけるシークレット管理の重要性

New Relic の Workflow Automation は、アラート発生時の自動対応や外部サービスとの連携を実現する強力な機能ですが、これらの自動化ワークフローには AWS API、PagerDuty、Slack などへのアクセスに必要な API キーやトークンが必要です。従来、これらの認証情報をワークフロー定義に直接記述するケースが見られましたが、これはセキュリティ上の重大なリスクとなります。

本ガイドでは、New Relic の Secrets Management Service を活用することで、認証情報をワークフロー定義から完全に分離する方法が紹介されています。この仕組みにより、ワークフロー内では認証情報を参照するだけで実際の値は暗号化された状態で管理され、必要な時にのみ安全に取り出されます。

なぜ重要なのか:

SRE が運用する環境では、複数のワークフローが同じ認証情報を共有することが一般的です。API キーがローテーションされた際、ハードコードされている場合は全てのワークフロー定義を修正する必要がありますが、シークレット管理サービスを利用すれば、一箇所の更新で全ワークフローに反映できます。また、ワークフロー定義を Git リポジトリで管理する際に、認証情報が誤ってコミットされるリスクも排除できます。

SRE の日常業務への影響:

監視設定において、アラートから自動的に AWS Lambda を呼び出して自己修復を試みるワークフローや、インシデント発生時に PagerDuty へエスカレーションするワークフローは頻繁に利用されます。これらのワークフローで認証情報を安全に管理することで、セキュリティインシデント時の対応時間が大幅に短縮されます。例えば、API キーが漏洩した場合でも、シークレット管理サービス上で即座に更新すれば、全てのワークフローが新しい認証情報で動作を継続できます。

また、コンプライアンスの観点からも、認証情報へのアクセスログが自動的に記録されるため、監査対応が容易になります。AWS 環境において EC2 インスタンスの自動スケーリングや ECS タスクの再起動を行う自動化ワークフローでも、AWS の認証情報を安全に扱うことができ、インフラ運用の信頼性が向上します。

Note: New Relic の Workflow Automation は、アラート条件が満たされた際に自動的にアクションを実行する機能です。Secrets Management Service は、API キー、パスワード、トークンなどの機密情報を暗号化して保存し、ワークフローから安全に参照できるようにする New Relic の機能です。


SRE 視点での活用ポイント

監視・アラート運用の改善

シークレット管理サービスの導入により、監視ワークフローのセキュリティ基準を大幅に向上させることができます。特に、複数のチームが異なるワークフローを運用している環境では、認証情報の集中管理によって管理負荷が軽減されます。ダッシュボード作成時に外部 API からデータを取得する場合や、カスタムアラート通知チャネルを構築する際にも、認証情報を安全に利用できます。

AWS 環境での運用における影響

AWS 環境で New Relic を運用する SRE にとって、EC2 インスタンスの自動再起動、Lambda 関数のトリガー、ECS サービスのスケーリングなど、AWS API を呼び出す自動化ワークフローは日常的に利用されます。これらのワークフローで AWS アクセスキーを安全に管理することは必須要件です。シークレット管理サービスを利用することで、AWS 認証情報のローテーションポリシーに準拠した運用が実現でき、セキュリティ監査にも対応しやすくなります。

すぐに試せる Tips

既存のワークフローで API キーをハードコードしている場合は、まず開発環境やステージング環境でシークレット管理サービスへの移行を試すことをお勧めします。移行時は、既存のワークフローをコピーしてテスト用に残しておくことで、問題発生時の迅速なロールバックが可能です。

アップグレード時の注意点

シークレット管理サービスへの移行は、既存のワークフローの動作に影響を与える可能性があります。移行前に、各ワークフローが参照している認証情報を洗い出し、シークレットとして登録する計画を立てることが重要です。また、シークレットへのアクセス権限を適切に設定し、必要最小限の権限でワークフローが動作するよう構成することで、セキュリティリスクをさらに低減できます。


全アップデート一覧

カテゴリ対象概要リンク
OtherWorkflow AutomationAPI キーなどの認証情報をハードコードする危険性を回避するため、Secrets Management Service の活用方法を解説。ワークフロー定義から認証情報を切り離し、セキュアに外部サービス連携を実現する実装ガイド。詳細

Note: 上記はコミュニティメンバーによる技術解説ガイドであり、公式の新機能リリースではありません。


まとめ

今回のアップデート情報では、New Relic の Workflow Automation におけるセキュリティベストプラクティスに焦点を当てた技術ガイドが紹介されました。認証情報の安全な管理は、SRE の運用において常に課題となる領域ですが、Secrets Management Service を活用することで、セキュリティリスクを大幅に低減しながら自動化ワークフローの柔軟性を維持できます。

特に AWS 環境で複雑な自動化を運用している SRE にとって、認証情報の一元管理と安全な参照の仕組みは、運用効率とセキュリティの両立に不可欠です。今後のワークフロー構築においては、最初からシークレット管理サービスを組み込んだ設計を行うことで、長期的な運用コストの削減にもつながるでしょう。

既存のワークフローを見直し、ハードコードされた認証情報がないか確認することから始めてみてはいかがでしょうか。


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