
はじめに
Claude Code v2.1.236 がリリースされました。本バージョンでは、新しいセッションの開始モデルを制御する環境変数 ANTHROPIC_DEFAULT_MODEL の追加、マシン上の別セッションにアイドル時の通知を依頼できる notify_when_idle 機能の実装、macOS サンドボックスのワイルドカード拒否ルールの優先順位強化が行われました。また、ディレクトリ削除後のクリップボードやバックグラウンド処理の不具合、フルスクリーンレンダラーの永続的失敗、/model ピッカーの表示高さ超過など、多数の修正が含まれています。
注目アップデート深掘り
環境変数によるデフォルトモデル設定
新たに追加された ANTHROPIC_DEFAULT_MODEL 環境変数により、新規セッション開始時のモデルを設定できるようになりました。この変数は /model コマンドによる選択を上書きせず、/model で選ばれたモデルは再起動後も保持されます。これは既存の ANTHROPIC_MODEL とは動作が異なる点に注意が必要です。
この変更により、チームやプロジェクトごとに標準モデルを定めつつ、個々のセッションで必要に応じてモデルを切り替えるワークフローが実現しやすくなります。ANTHROPIC_MODEL との使い分けを理解しておくことで、より柔軟なモデル選択が可能です。
クロスセッション通知機能の導入
notify_when_idle が cross-session SendMessage に追加されました。この機能は、同一マシン上の別 Claude Code セッションに対して、次にアイドル状態になったタイミングで一度だけ通知を送るよう依頼できるものです(macOS および Linux で利用可能)。オプトイン方式で、ポーリングは行われず、ワンショットの通知として動作します。
長時間実行されるタスクを持つセッションが複数ある環境で、他のセッションの完了を待って次の作業を開始したい場合に有用です。ポーリングを伴わないため、システムリソースへの負荷を抑えつつ、セッション間の協調動作を実現できます。
実用的な活用ポイント
ANTHROPIC_DEFAULT_MODEL を .bashrc や .zshrc などのシェル設定ファイルに記載しておくことで、プロジェクトや環境ごとに異なるデフォルトモデルを自動設定できます。/model による上書きが保持される仕様により、一時的な変更と恒久的な設定を使い分けられます。
macOS サンドボックスのワイルドカード拒否ルール(例: **/.env)が許可された読み取り領域内で優先されるようになり、マッチしたディレクトリの内容もカバーし、ファイル名変更による回避ができなくなりました。機密情報を含むファイルの保護が強化されたため、ワイルドカードルールの設定を見直すことで、よりセキュアな環境を構築できます。
/goal を設定したセッションが長時間実行されるバックグラウンド作業の後ろで待機している場合、30分後(その後1時間、2時間)に自動的にチェックインするようになりました。これにより、作業に戻るまで待つ必要がなくなります。
全変更点一覧
| カテゴリ | 内容 | 概要 |
|---|---|---|
| Feature | ANTHROPIC_DEFAULT_MODEL 環境変数の追加 | 新規セッション開始時のモデルを設定。/model での選択があればそちらが優先され、再起動後も保持される(ANTHROPIC_MODEL とは動作が異なる) |
| Feature | notify_when_idle の追加 | cross-session SendMessage で、同一マシン上の別セッションにアイドル時の一度限りの通知を依頼可能(macOS / Linux、オプトイン、ポーリング無し) |
| Improvement | macOS サンドボックスのワイルドカード拒否ルール強化 | **/.env などのワイルドカード読み取り拒否ルールが許可領域内で優先され、マッチしたディレクトリの内容をカバーし、ファイル名変更による回避が不可能に |
| Fix | ディレクトリ削除後の機能障害を修正 | セッションが切り替えたディレクトリが削除された後、クリップボードコピー、バックグラウンド処理、バックグラウンドセッション、ローカル MCP ログが機能しなくなる問題を修正(2.1.229 以降) |
| Fix | フルスクリーンレンダラーの永続的失敗を修正 | 一度起動に失敗すると、以降の起動時に毎回終了していた問題を修正。失敗時は従来のレンダラーにフォールバックするように変更 |
| Fix | /model ピッカーの高さ超過を修正 | ピッカーがターミナルより高くなる問題を修正。ウィンドウに収まるモデル数のみ表示し、残りはスクロールで到達可能に |
| Fix | SendMessage の拒否問題を修正 | 不正な閉じタグによりメッセージテキストが要約フィールド内に残った場合に呼び出しが拒否される問題を修正 |
| Fix | サブプロセス起動失敗時の未処理エラーを修正 | 例えば WSL で Windows 相互運用が無効の場合の powershell.exe 起動失敗時に未処理の Promise 拒否が発生する問題を修正(2.1.234 のリグレッション) |
| Fix | フルスクリーンモードのメッセージ表示遅延を修正 | ターミナルのリサイズ後、新たに送信されたメッセージが次回の更新まで表示されないことがある問題を修正 |
| Fix | フルスクリーンモードの描画問題を修正 | 複数行プロンプトをクリアした後に残る空白帯、およびターミナルリサイズ後のペイン再描画失敗を修正 |
| Fix | マネージド設定承認プロンプトの表示問題を修正 | 起動時に承認プロンプトが表示されないことがあるが、最初のキー入力が承認として捕捉される問題を修正 |
| Fix | tmux でのタブタイトルのジャンプを修正 | iTerm tmux 統合において、960ms ごとのアニメーション時にタイトルを書き込んでいたのを、テキスト変更時のみ書き込むように変更 |
| Fix | クラウド環境リスト取得エラーメッセージを改善 | 環境リストが空または不正な形式で返された際のエラーメッセージが不明瞭だった問題を修正 |
| Fix | Fable 5 初回利用クレジットプロンプトの自動選択を修正 | Remote Control 使用時、60秒間無応答の場合にフォールバックモデルが自動選択される問題を修正 |
| Fix | スピナーヒント非表示とエラー繰り返しを修正 | ~/.claude.json 内のゲストパス報酬キャッシュが不正な形式の場合、スピナーヒントが表示されず、バックグラウンドエラーが繰り返される問題を修正 |
| Fix | スキルホットリロードのエラーを修正 | SDK / VS Code セッションで作業ディレクトリ削除後、スキル変更のたびにエラーが発生する問題を修正(2.1.229 以降) |
| Fix | セルフホストランナーセッションの再開タイミングを修正 | アイドル、リタイア、または起動タイムアウト時に解放されたセッションが、ポストセッションフック完了前に別のランナーで再開されることがある問題を修正 |
| Fix | Clawd マスコットの描画不均一を修正 | iTerm2 の一部のフォントサイズで目と足の描画が不均一になる問題を修正 |
| Fix | セッション要約の暴走を修正 | 要約テキスト(自動および /recap)が無制限に長くなる問題を修正。最大400文字、単語境界でカットするように変更 |
| Improvement | 起動パフォーマンスの向上 | セッションカウンターをバックグラウンドで書き込むように変更 |
| Improvement | オートモードの Monitor ルール処理を改善 | オートモード中は Monitor の許可ルールが保留され、Monitor コマンドが Bash コマンドと同様にレビューされるように変更 |
| Improvement | オートモードの分類器を改善 | Bedrock、Vertex AI、Foundry、およびテレメトリ無効時に、Claude API と同じデフォルト(重大度スコア付き分類)を使用するように変更 |
| Improvement | オートモードの git ステータスチェックを改善 | リポジトリの status.showUntrackedFiles=no 設定によってクリーンなツリーと誤認識される問題を修正 |
| Improvement | /model ピッカーのハイライト変更 | 最新モデルの名前のみをハイライトするように変更。リスト内の任意の部分ではなく、新リリースをマークするようになった |
| Improvement | /goal の自動チェックイン機能 | 長時間実行されるバックグラウンド作業の後ろで待機しているアイドルセッションが、30分後(その後1時間、2時間)に自動的にチェックイン |
| Improvement | /usage の表示改善 | Team および Enterprise メンバー向けに使用クレジット支出行を表示。支出前は 0% の上限行を表示 |
| Improvement | SIGTERM のハンドリング変更 | print / SDK モードで、SIGTERM 時に中断されたターンや合成ツール拒否を記録しないように変更。実行中のコマンドは終了し、プロセスはコード 143 で終了 |
| Improvement | スラッシュコマンドのエラー報告改善 | タイプミスまたは利用不可のコマンドで Enter を押した場合、ファジーマッチではなくエラーを報告するように変更。プレフィックスとエイリアスは引き続き実行 |
| Improvement | Remote Control のオフライン検出高速化 | CLI 終了またはターミナルクローズ時、セッションが数秒以内にオフラインとしてマークされるように変更 |
| Improvement | SendMessage の受信拒否タイミング改善 | 急速なバーストが受信セッションの許容量を超える場合、送信済みと報告しつつドロップするのではなく、事前に拒否するように変更 |
| Improvement | セッションタイトルチップの配置調整 | プロンプト境界のセッションタイトルチップをフッター右端に合わせるように調整 |
| Improvement | フッター右寄せアイテムの右マージン統一 | ゴールインジケーター、セッション状態、バックグラウンドエージェントステータスなどの右寄せアイテムと、省略された通知が、プロンプトエリアの他の部分と一貫した右マージンを共有 |
| Feature | VS Code 拡張のスクリーンリーダー対応 | トランスクリプトのスクリーンリーダーサポートを追加。返信、権限リクエスト、エラー、ステータス変更のライブアナウンス、およびターンごとの見出しナビゲーション |
まとめ
v2.1.236 は、環境変数によるモデル設定の柔軟性向上、クロスセッション通知機能の実装、macOS サンドボックスのセキュリティ強化といった新機能に加え、ディレクトリ削除後の機能障害やフルスクリーンレンダラーの永続的失敗など、複数の重要な不具合修正を含むリリースです。オートモードの分類器改善や Monitor ルールの処理変更、/goal の自動チェックイン機能など、実用性を高める改善も多数行われました。VS Code 拡張におけるスクリーンリーダー対応の追加により、アクセシビリティも向上しています。