
Claude Code v2.1.202 リリース情報
はじめに
Claude Code v2.1.202 がリリースされました。このバージョンでは、動的ワークフローのサイズ制御設定の追加、OpenTelemetry テレメトリ属性の追加、および 13 件の不具合修正が含まれています。主な修正対象は、インライン履歴検索のクラッシュ、セッションリネームの永続化、mTLS ハンドシェイク失敗、リモートコントロールからのコマンド実行、音声入力の無限ループなど、セッション管理とリモート操作周りの信頼性向上に重点が置かれています。
注目アップデート深掘り
動的ワークフローサイズの設定追加
/config に「Dynamic workflow size」設定が追加されました。この設定は、Claude が動的ワークフローを作成する際のエージェント数の規模(small/medium/large)をガイドラインとして制御するものです。リリースノートでは「an advisory guideline, not an enforced cap(勧告的ガイドラインであり、強制的な上限ではない)」と明記されており、厳密な制約ではなく方針を示すものとして機能します。複数エージェントを動的に生成するワークフローにおいて、実行環境のリソースや応答時間の要件に応じた規模感の調整が可能になります。
OpenTelemetry 属性の追加
ワークフローから生成されたエージェントが出力するテレメトリに、workflow.run_id および workflow.name の OpenTelemetry 属性が追加されました。この変更により、「a workflow run’s activity can be reconstructed from OTel data(ワークフロー実行のアクティビティを OTel データから再構築できる)」ようになります。複数のエージェントが並行して動作するワークフロー実行において、各エージェントの動作を統一的に追跡・分析できるようになり、実行ログの可視化や障害時のトレース分析が容易になります。
実用的な活用ポイント
セッション管理の信頼性が複数の側面で改善されています。バックグラウンドセッションの /rename がジョブ再起動後も保持されるようになり、名前でのアドレス指定が確実に機能します。また、大規模な git worktree を持つリポジトリでのセッション再開が高速化され、メモリ使用量も削減されました。
リモートコントロール(モバイル/Web アプリ)からの操作において、コマンド送信が「Unknown command」エラーで失敗する問題や、キャプションなしで送信された画像・ファイルが無言でドロップされる問題が修正されました。音声入力では、マイクや録音機能の失敗時に無限ループでリトライする問題が解決され、繰り返し失敗時には音声入力が一時停止するようになりました。
全変更点一覧
| カテゴリ | 内容 | 概要 |
|---|---|---|
| Feature | Dynamic workflow size 設定追加 | /config で動的ワークフローのエージェント数規模(small/medium/large)を制御するガイドライン設定を追加 |
| Feature | OpenTelemetry 属性追加 | ワークフロー生成エージェントのテレメトリに workflow.run_id と workflow.name 属性を追加し、実行追跡を可能に |
| Fix | インライン履歴検索のクラッシュ修正 | Ctrl+R 履歴検索で、履歴ファイルスキャン中に accept/cancel した際のクラッシュを修正 |
| Fix | バックグラウンドセッションの /rename 永続化 | ジョブ再起動時にリネームが元に戻り、新名称でのアドレス指定が失敗する問題を修正 |
| Fix | mTLS ハンドシェイク失敗の解消 | クライアント証明書インプレースローテーション中の設定再適用時に発生する一時的な mTLS ハンドシェイク失敗を修正 |
| Fix | リモートコントロールからのコマンド実行エラー修正 | モバイル/Web のリモートコントロールからインタラクティブセッションへ送信されたコマンドが「Unknown command」で失敗する問題を修正 |
| Fix | リモートコントロールでのファイル/画像ドロップ問題修正 | モバイル/Web アプリからキャプションなしで送信された画像・ファイルが無言でドロップされる問題を修正 |
| Fix | 認証ログイン URL のハイパーリンク化改善 | claude auth login と claude mcp login --no-browser が出力するサインイン URL が SSH 経由でラップ時にクリック不可能になる問題を修正し、単一ハイパーリンクとして出力 |
| Fix | claude agents からのチャットオープン失敗修正 | チャットオープン時に「currently running as a background agent」エラーとワーカークラッシュ/再起動ループが発生する問題を修正 |
| Fix | ワークフロースクリプトの Unicode 文字列破損修正 | 文字列内の Unicode クォートエスケープが解析前に破損する問題を修正;パースエラー時に問題行を表示(常に TypeScript を責めていた挙動を改善) |
| Fix | 音声入力の無限ループ修正 | マイクまたはオーディオレコーダー失敗時に無制限にリトライする問題を修正し、繰り返し失敗時は音声入力を一時停止 |
| Fix | /remote-control セッションの権限モード表示修正 | モバイル/Web アプリで誤った権限モードが表示される問題を修正 |
| Fix | セッション再開の高速化とメモリ削減 | 多数の git worktree を持つリポジトリで名前によるセッション再開や再開ピッカーが数分かかり大量メモリを使用する問題を修正 |
| Fix | ダウンロードの中断リトライ改善 | プロキシやネットワークが接続をドロップした際にインストーラー/アップデーターダウンロードが即座に「aborted」で失敗する問題を修正し、一時的な接続断をリトライ |
| Fix | スキル再呼び出し時の重複追加修正 | 既にロード済みのスキルを再度呼び出すと、コンテキストに重複した命令コピーが追加される問題を修正 |
| Improvement | /workflows エージェントリストレイアウト改善 | タイトルを幅広に、専用の時間カラムを追加、モデル名を短縮、行ごとのツールコール数表示を削除 |
| Improvement | MCP エラーメッセージの改善 | サーバー設定に url があるが type がない場合のエラーを明確化し、誤解を招く「command: expected string」ではなく "type": "http" を提案 |
| 変更 | /review <pr> の挙動変更 | 高速シングルパスレビューに戻す;マルチエージェントレビューは /code-review <level> <pr#> で実行 |
まとめ
v2.1.202 は、機能追加よりも既存機能の堅牢性向上に注力したメンテナンスリリースです。動的ワークフローのサイズ制御とテレメトリ強化により、複雑なエージェント実行の管理性が向上しました。修正の多くはリモートコントロール、セッション管理、音声入力といったユーザーインターフェース周りの不具合解消に集中しており、日常利用における安定性が改善されています。また /review と /code-review のコマンド分離により、レビュー機能の用途に応じた使い分けが明確になりました。