
Claude Code v2.1.187 リリース解説
はじめに
Claude Code v2.1.187 がリリースされました。今回のリリースでは、セキュリティ強化を目的とした認証情報アクセス制限機能、組織レベルのモデル制限設定、構造化出力の安定性向上など、合計 21 件の変更が行われています。特にサンドボックス環境のセキュリティ強化と、リモート実行時の堅牢性向上が主要なテーマとなっています。
注目アップデート深掘り
サンドボックス環境での認証情報保護機能
新たに sandbox.credentials 設定が追加されました。この設定により、サンドボックス化されたコマンドが認証情報ファイルやシークレット環境変数を読み取ることをブロックできるようになります。
この変更は、Claude Code がコード生成や自動化スクリプトを実行する際に、誤って機密情報にアクセスしたり外部に漏洩したりするリスクを低減します。特に、生成されたスクリプトが意図せずクレデンシャルファイル(例: ~/.aws/credentials や ~/.ssh/ など)を読み込んでしまう事故を防ぐための重要なセーフガードとなります。
組織レベルのモデル利用制限
組織設定に基づくモデル制限が、モデルピッカー、--model フラグ、/model コマンド、ANTHROPIC_MODEL 環境変数に適用されるようになりました。制限されたモデルを選択すると、“restricted by your organization’s settings” というメッセージが表示されます。
この機能により、組織のセキュリティポリシーやコンプライアンス要件に基づいて、使用可能なモデルを一元管理できます。管理者は特定のモデルの使用を制限することで、データガバナンスやコスト管理を強化できます。
構造化出力の無限ループ修正
--json-schema および workflow の agent({schema}) 構造化出力において、モデルが成功後に StructuredOutput を無限に再呼び出しできなくなり、フォローアップターンで構造化出力が確実に返されるようになりました。
この修正により、JSON スキーマに基づく自動化処理が予期せず停止したり、意図しないループに陥ったりする問題が解消されます。
実用的な活用ポイント
今回のリリースでセキュリティと安定性が大幅に向上しました。sandbox.credentials 設定を有効にすることで、自動生成されるスクリプトが機密情報にアクセスするリスクを軽減できます。
リモート MCP ツール呼び出しのタイムアウト処理が追加されたことで、応答のないツール呼び出しが 5 分後にエラーで中断されるようになりました(CLAUDE_CODE_MCP_TOOL_IDLE_TIMEOUT でカスタマイズ可能)。これにより、無限待機によるリソース浪費を防げます。
また、リモートセッション起動時間が約 2.7 秒短縮され、頻繁にリモート環境を使用するワークフローの効率が向上しています。
全変更点一覧
| カテゴリ | 内容 | 概要 |
|---|---|---|
| Feature | sandbox.credentials 設定追加 | サンドボックス化されたコマンドが認証情報ファイルとシークレット環境変数を読み取ることをブロック |
| Feature | 組織設定に基づくモデル制限 | モデルピッカー、--model、/model、ANTHROPIC_MODEL に組織のモデル制限を適用し、制限時にメッセージを表示 |
| Feature | フルスクリーンモードでのマウスクリック対応 | パーミッションプロンプト、/model、/config などの選択メニューでマウスクリックをサポート |
| Fix | --resume が “No conversation found” で失敗 | 元の -p 実行でモデルターンが生成されなかった場合に失敗する問題を修正 |
| Fix | 構造化出力の無限ループ | --json-schema と workflow agent({schema}) で、成功後に StructuredOutput を無限再呼び出しできなくなり、フォローアップターンで構造化出力が確実に返される |
| Fix | リモート MCP ツール呼び出しのハング | 5 分間応答なしでハングする問題を修正し、エラーで中断(CLAUDE_CODE_MCP_TOOL_IDLE_TIMEOUT でオーバーライド可能) |
| Fix | リモートセッション起動時間 | エージェントプロキシ CA システム信頼インストール追加後に約 2.7 秒長くなっていた起動時間を短縮 |
| Fix | 韓国語/CJK テキストの文字化け | バイト単位の拡張キーイベントでペーストを配信するターミナルで、ペーストしたテキストが文字化けする問題を修正 |
| Fix | Remote Control 経由の /update のハング | 起動時の信頼ダイアログが表示されるはずの状況でハングする問題を修正 |
| Fix | エージェントビューのバックグラウンドジョブ | エージェントが構造化出力なしでターンを終了した際に “working” 状態で無限に停止する問題を修正 |
| Fix | チャネル接続の切断 | エージェントビューへの移動後や、/bg、/tui、/update の後にチャネル接続が切断される問題を修正 |
| Fix | エージェント停止通知 | 誰がエージェントを停止したかの帰属が正しくない問題を修正し、表現を改善(“came to rest” から “finished”/“stopped” へ) |
| Fix | サブエージェント深度トラッキング | 再開されたサブエージェントが元のスポーン深度を復元し、フォークされたサブエージェントが深度上限にカウントされるよう修正 |
| Fix | エージェントワークツリー登録のリーク | キルされたエージェントによりロックされた .git/worktrees/ エントリが自動クリーンアップされるよう修正 |
| Fix | macOS Ghostty での Cmd+クリック | フルスクリーンモードで URL が開かない問題を修正 |
| Fix | claude --help のフラグ表示 | --bg/--background フラグがリストされない問題を修正 |
| Fix | /share アップロード中のキー入力 | Esc、Ctrl-C、Ctrl-D がアップロード中に動作しない問題を修正 |
| Improvement | /install-github-app の柔軟性向上 | GitHub Actions ワークフロー設定をオプション化 — GitHub App のみインストールし、ワークフロー/シークレット設定をスキップ可能に |
| Improvement | /btw のナビゲーション | ←/→ 矢印キーで以前の回答をステップ実行できるよう改善 |
| Improvement | /plugin のプラグイン管理 | 最近使用していないプラグインを表示し、クリーンアップしやすく改善 |
| Fix (VSCode) | 大規模セッション再開時の無応答 | 拡張機能が大規模セッション再開時に無応答になる問題を修正 |
Note: MCP (Model Context Protocol) は、Claude Code が外部ツールやサービスと連携するためのプロトコルです。
まとめ
v2.1.187 は、セキュリティと安定性を中心としたメンテナンスリリースです。認証情報保護機能の追加により、サンドボックス環境での安全性が向上し、組織レベルのモデル制限により管理者のガバナンス能力が強化されました。また、構造化出力の無限ループ修正やリモート MCP ツール呼び出しのタイムアウト処理など、自動化ワークフローの信頼性向上に貢献する修正が多数含まれています。リモートセッションの起動時間短縮やバックグラウンドジョブの停止状態修正など、日常的な利用体験の改善も図られています。