
はじめに
2026年6月3日、Claude Code の v2.1.161 および v2.1.160 がリリースされました。v2.1.161ではメトリクスのカスタムディメンション対応(OTEL_RESOURCE_ATTRIBUTES の値をラベルとして付与)、並列ツール呼び出しのエラー分離(Bash失敗時に同一バッチの他ツールがキャンセルされなくなる)が行われ、OpenTelemetryログ初期化前のログイベント欠落の修正、クリップボード機能の拡張、管理ポリシーの回帰問題や claude mcp のシークレット漏洩も解決されています。v2.1.160ではセキュリティとUXの改善が中心で、コード実行につながりうる設定ファイル(シェルスタートアップファイルやビルドツール設定)への書き込み前プロンプトの追加、WSLでのクリップボード処理修正、バックグラウンドセッション復帰時のチャット履歴損失バグ修正、Windows環境でのレスポンス遅延やIME表示位置の修正などが含まれます。
注目アップデート深掘り
コード実行につながる設定ファイルへの書き込み前プロンプト(v2.1.160)
v2.1.160では、シェルスタートアップファイル(.zshenv、.zlogin、.bash_login)や ~/.config/git/ への書き込み前にプロンプトを表示する機能が追加されました。これらは書き込まれた内容が意図せずコマンド実行につながりうるファイルです。さらに acceptEdits モードでは、.npmrc、.yarnrc*、bunfig.toml、.bazelrc、.pre-commit-config.yaml、.devcontainer/ など、コード実行を許してしまうビルドツール設定ファイルへの書き込み前にも確認が入るようになりました。これにより、自動編集の流れでこれらのファイルが書き換えられ、意図しないコマンド実行を招くリスクを防げます。特に複数のプロジェクトやアカウントを扱うエンジニアにとって、設定変更を事前に確認できる仕組みは重要です。
並列ツール呼び出しのエラー分離(v2.1.161)
v2.1.161では、並列ツール呼び出しのうち1つのBashコマンドが失敗しても、同じバッチ内の他のツール呼び出しがキャンセルされなくなりました。各ツールはそれぞれ独立して結果を返します。従来は1つの失敗がバッチ全体を巻き込むことがありましたが、この変更により部分的な失敗が他の処理に波及しなくなります。複雑なワークフローやマルチステップの自動化タスクにおいて、並列処理の信頼性が向上し、失敗したコマンドだけを切り分けて対処できるようになります。
実用的な活用ポイント
v2.1.160の変更により、長時間作業における信頼性が向上しました。バックグラウンドセッション復帰時のチャット履歴保持により、夜間運用や複数段階の構築タスク中にコンテキストを失うリスクが低減します。また、grep検索後の直接編集が可能になったことで、ログ解析からラッパースクリプト生成までの流れが短縮されます。WSL/Windows/macOS環境での安定性向上により、異なるOS環境でのインフラコード生成タスクがスムーズになります。セッション管理の改善(ソケットエラー解消、CPU負荷時の反応性向上)により、複数の並行検証・デプロイメント監視が安定して実行可能です。
全変更点一覧
| カテゴリ | バージョン | 概要 |
|---|---|---|
| Feature | v2.1.161 | メトリクスにカスタムディメンション対応(OTEL_RESOURCE_ATTRIBUTES の値をラベル付与) |
| Improvement | v2.1.161 | 並列ツール呼び出しのエラー分離(Bash失敗時も同一バッチの他ツールがキャンセルされない) |
| Fix | v2.1.161 | OpenTelemetryログ初期化前のログイベント欠落を修正 |
| Improvement | v2.1.161 | クリップボード機能の拡張(Linuxで wl-copy/xclip/xsel に対応) |
| Fix | v2.1.161 | 管理ポリシー(forceLoginOrgUUID/forceLoginMethod)の回帰問題を解決 |
| Fix | v2.1.161 | claude mcp がシークレットを端末に出力する問題を修正 |
| Feature | v2.1.160 | コード実行につながる設定ファイル(シェル起動ファイル/ビルドツール設定)への書き込み前プロンプト追加 |
| Fix | v2.1.160 | WSLでのクリップボード処理修正 |
| Fix | v2.1.160 | バックグラウンドセッション復帰時のチャット履歴損失バグ修正 |
| Fix | v2.1.160 | Windows環境でのレスポンス遅延修正 |
| Fix | v2.1.160 | Windows環境でのIME表示位置修正 |
| Improvement | v2.1.160 | セッション管理の改善(ソケットエラー解消、CPU負荷時の反応性向上) |
| Improvement | v2.1.160 | grep検索後の直接編集が可能に |
まとめ
今回のリリースでは、セキュリティ強化と安定性向上が主軸となっています。コード実行につながりうる設定ファイルへの書き込み前プロンプトの追加により、意図しないコマンド実行のリスクが軽減され、並列ツール呼び出しのエラー分離により複雑なワークフローの信頼性が向上しました。また、バックグラウンドセッション管理の改善やWindows/WSL環境での安定性向上により、長時間作業やマルチ環境での利用がより快適になります。claude mcp でのシークレット漏洩の修正や管理ポリシーの回帰問題修正など、セキュリティ面での改善も含まれており、業務利用における信頼性が一層高まるリリースとなっています。